米国では2024年までに110万件のコンピューター関連求人が見込まれる一方、国内の卒業生だけではこの旺盛な需要を賄いきれない状況が続いています。こうした中、デル・テクノロジーズなどの米主要企業は、従来の採用手法や基準を見直し、新たな人材層の開拓に乗り出しています。
そこで注目されているのが、自閉症スペクトラム障害(ASD)などを抱える人々が持つ突出した才能を活かす「ニューロ・ダイバーシティー(神経多様性・脳の多様性)」という考え方です。
IT人材不足を救う「埋もれた才能」の存在
世界に推定7,000万人とされるASD層ですが、その約8割が無職か能力以下の職に従事しているとされ、膨大な潜在能力が労働市場から取り残されています。こうした中、デルやマイクロソフト、アーンスト・アンド・ヤング(EY)といったグローバル大企業は、高い専門性や集中力を備えたこの層を採用し始めています。
「どこで輝けるか」を探る実践的プログラム
社会的コミュニケーションに課題を抱えやすいASDの人々は、従来の選考手法ではその能力が正当に評価されにくいという壁がありました。これに対し、アーンスト・アンド・ヤング(EY)やマイクロソフトなどの先進企業は、非営利団体と連携した「自閉症@ワーク」などの就労プログラムを展開しています。
たとえばマイクロソフトでは、年4回「ブートキャンプ」のような5日間のグループプロジェクトを実施しています。参加者にロボットキットの製作やワークを行わせ、マネージャーとの面接も組み合わせることで、「誰が誰と作業にあたり、誰がいらだちを示すか、人々がどこでもっとも輝けるのか」を丁寧に見極めています。
こうした就労プログラムを通じて 、数学の学位を持ちながらスーパーのカート回収をしていた男性が、IT企業のエンジニア職として見出されるといった劇的な転身事例も生まれています。
「全員が働きやすい」職場への変革
採用後の定着支援において重要なのは、職場における細やかな配慮です。専門機関のアドバイスのもと、刺激に敏感なASD特性に配慮し、オフィスの照明をLEDに変更したり、周囲に香水を控えるよう要請したりする取り組みが進められています。
また、マネージャー側に対するコミュニケーションのトレーニングも有益であるとされています。指示を出す際は「具体的かつ明瞭に語りかけ、さらに文書(メール)で指示を与える」といった、内容や期限を明確にしたやり取りが推奨されており、こうした仕組みは障害の有無にかかわらず、すべてのスタッフに有益だと指摘されています。
引用したサイト: https://jp.reuters.com/article/world/-idUSKCN1SF0WC/
