厚生労働省の「令和6年度衛生行政報告例の概況」によると、精神障害者保健福祉手帳の交付者数は年々増加しており、令和6年度には154万人超えとなりました。今回は、精神障害者保健福祉手帳の概要や等級の基準、暮らしを支える支援制度について解説します。
精神障害者保健福祉手帳とは?
精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患により長期にわたって日常生活や社会生活に制限がある方を対象とした手帳です。うつ病などの気分障害、統合失調症、発達障害、てんかんなど、すべての精神障害が対象となります。申請には、その精神障害の初診日から6か月以上経過していることが要件です。
障害の程度に応じた「1〜3級」の等級基準
手帳は障害の程度に応じて3つの等級に分かれています。
- 1級: 精神障害のため自力で生活することが困難な状態。
- 2級: 必ずしも他者の支援を必要としないものの、日常生活に著しい制限がある状態。
- 3級: 日常生活を自力で行える部分もあるが、援助や制限が必要な状態。
令和6年度のデータでは「2級」の交付数が最も多く全体の半数以上を占めていますが、増加率においては「3級」が10.0%と最も高くなっています。日常生活や社会生活で何らかの援助・制限を必要とする方が、より身近に増えている現状が窺えます。
暮らしを支える全国の割引・支援制度
手帳を取得することで、経済的・生活的な負担を軽減する様々なサービスを受けることができます。支援内容は「全国一律」のものと、「自治体や事業者独自」のものに分かれています。
- 全国一律の支援: NHK受信料の減免、所得税や住民税などの税制優遇措置、生活福祉資金の貸付のほか、障害者雇用枠での就労支援などが受けられます。
- 自治体・事業者独自の支援: 鉄道・バス・タクシーなどの公共交通機関の運賃割引、携帯電話料金や上下水道料金の割引、医療費助成、公営住宅への優先入居など、地域や企業ごとに多様なサポートが用意されています。
「知る」ことから始める安心への一歩
現代社会において、精神的な不調は誰にでも起こり得る身近なリスクです。手帳の交付数が増加している背景には、制度への理解や必要性が高まっていることが挙げられます。万が一の事態に備え、経済的負担や生活への制限を和らげる公的な暮らしを支える仕組みが存在すること、そしてその具体的な制度を平時から知っておくことは、自分や大切な家族を守るための重要な知識と言えるでしょう。
引用したサイト: https://news.yahoo.co.jp/articles/bbbdd7c4907ee8e8e9c27600513abbe2357957cf?page=1
