最近では、企業に義務づけられている障害者の雇用割合(法定雇用率)が次々と引き上げられ、社会全体で障害者の働く機会を広げる動きが進んでいます。しかし、急激な引き上げに対して社内の受け入れ態勢が追いつかず、多くの企業が対応に頭を悩ませているという実情が明らかになりました。
急な引き上げとペナルティに焦る企業
国の定める法定雇用率は、2024年に2.5%、そして2026年には2.7%へと引き上げられました。もしこの目標を達成できないと、企業にはペナルティとして「納付金」が課されるほか、公共工事などの入札で不利になってしまう仕組みがあります。
そのため、社内に障害者を受け入れるノウハウがないまま「お金を払ってでも、急いで雇用率を満たさなければ」と焦る企業が少なくありません。こうした背景から、障害者の育成や研修を代行してくれる障害者雇用ビジネス業者を頼る企業が増えています。
「ただ雇うだけ」で終わってしまう職場の実態
しかし、目標達成を急ぐあまり「雇うこと」自体が目的になってしまい、大切な中身が追いつかないという問題が起きています。せっかく業者を通じて採用が決まっても、適切な業務を用意できず、業者任せの在宅ワークの中で「自己学習」ばかりが繰り返され、当事者が置き去りになってしまうケースがあるのです。
この現状に対し、「単に数を増やすだけでなく、障害者が戦力として活躍できる環境を整えるべきだ」との懸念の声が相次いでいます。現在の「雇った人数」だけを基準とする制度そのものを見直したり、引き上げを一度ストップすべきだという議論も始まっています。
誰もが戦力として活躍できる職場へ
人手不足が深刻化する今の時代、障害者雇用は単なる「法律の義務を守るための数字合わせ」であってはなりません。大切なのは、雇用された人がやりがいを持ち、一戦力として社会に貢献できる仕組みを作ることです。
企業にとっても対応は容易ではありませんが、制度の転換期だからこそ、誰もが自分らしく働ける職場環境を一歩ずつ整えていきたいものです。
引用したサイト:https://www.yomiuri.co.jp/national/20260524-GYT1T00285/
